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北海道で働く女性獣医師の動物病院経営ブログ

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猫にイカ珍味

イカやタコを犬猫にあげてはダメって知っている人は結構いると思います。
腰が抜けるからって。

 その17歳になる三毛猫のサンコは、今年で3年連続いつも同じ時期に、謎の神経症状で来院しているのです。
初めて症状が出たのはおととしの事で、倒れて苦しがってのたうち回り、口から泡を吹いて瞳孔が開いて、今にも死にそうになって来院しました。
何がどうしたのか分からないまま、レントゲンを撮り、血液検査をして、普段めったにお目にかからない「中毒性好中球」がたくさん出現していたので、何かの中毒だろうという推測のもと治療をしました。

去年もそうです。

そして今年もまた、11月に来たのです。
先週、待合室に駆け込んでくるなり、ご主人の「もう駄目だ、死ぬかも知れない」と叫んでいる声が聞こえ、他の待っている患者さんを後回しにして診察室に入ってもらいました。

カルテを見ると去年のその「発作」のところに、「お父さんが珍味」というメモが書いてありました。それを見て思い出しました。去年、3日間入院ののち回復して帰る時に、飼い主さんの奥様が何気なく口にした「お父さんが、イカの珍味を与えるから、いつも止めろと言ってるんですよ。」「え~~、もしかしたら、イカ中毒かもしれないから、それはやめた方が良いですよ。」と会話をしたことを思い出したのです。

それで、今年初めて連れて来たご主人に「まさか、イカやタコの珍味なんかはあげてないですよね?」と確認したところ、ふと視線が宙を舞い(と、私が感じただけですが)「いや、生ものはやってない。」と、質問とは違う返答をくださいました。
もう、それが答え。

 「イカに含まれる不飽和脂肪酸摂取による ビタミンB1欠乏に起因する神経症状」
点滴つけてすぐにビタミンB1を入れたところ、あれほど激しい発作症状を呈していたのに、ものの5分で症状が消えました。
「こんなに鮮やかに診断がついて、鮮やかに治療に反応するなんてすごい!!私って天才獣医師かも!!」(私の心の声です)

 お父さん、猫の好きな高級イカ珍味をわざわざ(猫のために)買ってきてあげていたらしいです。お母さんがあとでこっそり教えてくれました。そして、家族がいくらダメと言っても、言うことをきかなかったらしいです。
 今年は過去3年のなかで一番症状がきつかったせいか、食欲がでるまで丸3日かかってしまいましたが、もう金輪際一生イカはあげないと信じたいです。
(なお、タコも同じ理由でダメです)
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2 Comments

平川武史 says...""
「猫にイカをあげちゃいけない」っていうのは迷信だと思ってました!本当にだめなんですね。猫にとってイカは毒になるのでしょうか??それと犬にチョコレートをあげちゃいけないっていうのは本当でしょうか?
2008.12.03 23:40 | URL | #79D/WHSg [edit]
こうら says...""
本当です。チョコレートはひどい下痢血便を起こすことがあります。死ぬこともあるんです! ブドウは腎臓病、ねぎは溶血性貧血、柿は胃腸炎。動物に気軽に人のものを与えてはダメですよ~。
2008.12.04 09:17 | URL | #79D/WHSg [edit]

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